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Title.05
金八先生
 

  『心のつく字』    
  ♪暮れなずむ町の 光と影の中 去りゆくあなたへ 贈る言葉
  悲しみこらえて 微笑むよりも 涙かれるまで 泣くほうがいい     
  人は悲しみが多いほど 人には優しくできるのだから     
  さよならだけでは さびしすぎるから 愛するあなたへ 贈る言葉 ♪   
  武田鉄矢さん扮する3年B組金八先生「贈る言葉」です。 先日の金八先生の保健室の本田先生の授業です。 この日は「性、セックス」の授業でした。本田先生の話が終わって担任の金八先生の授業に入ります。
金 八 はい。それでは、黒板の文字を注目して下さい。はい、性≠ニいう文字。はい、性という文字は何偏でできていますか、
蘭子。 蘭 子 立心偏です。
金 八 はい、その通り、立心偏。心を意味する字です。さぁ、それではその横のこの文字は何でしょうか、アスミ。
アスミ 生きる。
金 八 そう。セックスを意味する漢字が、実は心で生きると書くことを忘れないで下さい。そしてもう一つ。今、みんなが一生懸命考えている問題、悪。はい、ちはる。性という文字とこの悪という文字にどこか似たところがありますか?
ちはる 心。
金 八 そうです。性という文字にも、そして悪という文字にも、心という字が隠れています。性も悪も実は心の出来事、心の問題なんです。この問題を解くヒントは本田先生がさっき仰った、あの二つ。強さと優しさです。
金八先生 3年B組の授業風景、リッシン偏、心のつく文字、印象に残る授業でした。
  それでは「花蔵院テレホン法話」も、今日はこの心のつく漢字を勉強してみましょう。
  引退した若の花が横綱になった時、昇進を伝える使者に「堅忍不抜」の気持ちでと答える所を、「堅心不抜」と言ったのを 思い出します。「我慢強く耐え忍ぶ」忍字にも心がついています。
  「忘れる」という字を見てみましょう。心の上にある「亡」の字は人と囲いのしるしが合わさった文字で人が囲いにかくれてみえなくなることを表して、「あったものが姿を消す」「見えなくなる」という意味に使われています。そこでこの忘れるという字は、心の中にあったものがなくなる、という意味になりました。
  また、リッシン偏に同じ亡がつくと、心ここにあらず毎日毎日忙しい、多忙となります。
  忠犬ハチ公は渋谷の駅。主人の帰りを待って毎日駅まで出迎えです。中の字は「はたざお」を枠のまんなかにつきとおした形を描いた字で「なか」や「中身」を表します。中の下に心をかいた忠犬ハチ公の忠の字は中身がいっぱいつまっている心のことから「まごころ」や「まごころをつくす」という意味になりました。 急いで心のつく字を見てきました。
  そういえば急ぐの「キュ−」の字も心がつきます。急の上の部分は人と手とをあわせた字で、逃げる人のせなかに追いかける人の手がとどく様子を表します。あわてて追いかけやっとつかまえる意味です。
  そこで「急」の字は、早く追いつこうとしてせかせかする気持ちや、ゆとりがなくさしせまった様子を表しています。 忙しい 忘れる急ぐ、どの字もあんまりいい結果は無いようです。 どうせなら、「悠悠自適」「ゆうゆうとして 自らゆく」ゆったりと悠々と行った方がいいようです。
  ところで金八先生のおっしゃっていた、生命の生、生きる、生まれる、「生」の本来の漢字の意味はどういう意味があるのでしょう。
  「説文解字」には「生進なり」とあります。生は上から若い三つ葉の草が生えてくる形を表しています。リッシン偏に生まれるの性の字は生まれたままの、まじりけのない心を、そしてまたものにそなわっている性質という意味をあらわしています。
  今日は金八先生のことば「性も悪も実は心の出来事、心の病気なんです。」リッシン偏・心のつく漢字の話でした。

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